■ 井桁屋

1924年(大正14年)頃、地元の呉服商・吉見家が、百貨店開業のために西尾市中心部に鉄筋コンクリート3階建ての建物を建てました。これが「井桁屋」。当時の地方都市では珍しい建造物で、西尾市のシンボルとして地元に親しまれてきました。

この建物は鉄筋コンクリート造のラーメン構造で、当時の日本の商業建築としてはよく見られる「復興式」と呼ばれる様式でそれはヨーロッパ建築の中のルネサンス建築を基本として。それにセセッション様式の意匠を加味しています。大都市では普及していましたが、地方都市ではまだ稀な建物でした。屋上庭園が設けられ、その一角に建てられた塔屋は地域でのランドマークを狙った設計と見られています。

三河地震の時には、この建物に被害がほとんど無く、震災の復旧に派遣された人達の宿舎となり復旧作業の拠点となっていました。

数年前に井桁屋の活用をめぐって討論されましたが、残念ながら2006年に取り壊され80年の歴史に幕が下ろされました。

                   井桁屋の外観

                   井桁屋から西尾市内を展望する

                   吉見邸探検


↑3階の屋上へつながる階段


↑井桁屋のシンボルである塔と屋上庭園


↑1階の階段


↑1階から2階の階段の途中にある部屋に置かれた巨大なレジ


↑屋上庭園には神様も奉ってあります


↑2階部分


↑1階入り口付近